夜中に何度も泣いて起きてしまう、寝かしつけにすごく時間がかかる・・・

ママたちから寄せられたお悩みに、「夜泣き外来」の第一人者である菊池先生からアドバイスを頂きました。


<お悩み>

11ヶ月の子供かいます。

抱っこと授乳での寝かしつけても、夜中1時間半に起きてしまいます。

授乳なしでの寝かしつけにもチャレンジしましたが、ギャン泣きで親が疲れ果ててしまいました。

どうしたらいいのでしょう?もはややり方がわかりません。

<アドバイス>

お母さん・ご家族が愛情込めて優しく適切に対応しても、眠るのが上手でない体質の赤ちゃんは眠たくても眠れずに泣いてしまいます。

お話を聞く限りでは、眠るのが上手でない体質が疑われます。

赤ちゃんに利用できる、眠りやすくする薬が必要かもしれません。

小児科医に相談してみて下さい。



<お悩み>

現在3歳です。

子供にはどのくらいの睡眠時間が必要なのでしょうか?

また、規則正しい生活を送りたいとは思っていますが、日によって予定通りいかないことがあります。大丈夫でしょうか?

<アドバイス>

まず、朝の起床時刻を定めて、中学卒業まで守ることを勧めます。

次に、望ましい夜間睡眠時間(就学前は10~11時間、小学4年生までは10時間、中学校は9時間)の確保のために、就寝時刻を定めます。

そして、食事・おやつ・入浴の時刻も毎日ほぼ同じにすることを勧めます。

それらの時刻がズレても1時間程度であるよう(2時間以上にならないよう)にしてください。

そのような生活の中で、昼間はしっかり遊んで体を動かすことです。



<お悩み>

寝たままトントンしても寝てくれず、抱っこかおんぶでないと寝てくれません。

このままの寝かしつけ方法でよいのでしょうか?

<アドバイス>

おんぶや抱っこしてでないと眠れない赤ちゃんは、眠るのが上手でない体質をもっている可能性が高いです。

小児科で相談してみてもよいかもしれません。



<お悩み>

就寝時に音楽を聞かせるのは効果的でしょうか?

<アドバイス>

寝る前の決まり事として音楽は良いと思います。

穏やかなゆったりとしたテンポの曲がよいでしょうね。

昔、母親は子守唄で赤ちゃんを眠らせていました。

子守唄をお母さんの声で録音して聞かせるのも良いかもしれません。



<お悩み>

息子の夜泣きがとにかくひどいです。

少し発達がゆっくりなこともあり、小児科に相談した方がよいのかと悩んでいます。

<アドバイス>

「乳幼児の眠りを育てる12箇条*」で現在の状況を点検するとともに、

睡眠日誌をつけて、夜泣きのひどさを目で見えるかたちにして小児科医に辛さを理解してもらいましょう。

睡眠日誌は

https://www.hwc.or.jp/hospital/shinryo/jushin/#kodomo

からダウンロードできます。

また、赤ちゃんに使用できる、眠りやすくする薬が一時期必要な場合があります。小児科医に相談してください。

次に、気になる特性は、年齢とともに変化します。定期的に小児科医に相談してください。

母子健康手帳に記載の健康診査の時期、9~10か月児、1歳児、1歳6か月児が受診の目安です。市町村の健診の場を利用しても良いです。

 

*「乳幼児の眠りを育てる12箇条」は、ほっこりAIの「睡眠チェック」から見ることが出来ます。 

 



<お悩み>

授乳中は母親はカフェインを避けるべきでしょうか?

夜泣きに影響しますか?

<アドバイス>

授乳中は控えた方がいいのですが、昼間に1杯飲む程度は大丈夫ですよ。



<お悩み>

夜中急に泣き叫ぶように起き、その後は布団に戻せないくらいぐずります。

<アドバイス>

夜驚症(やきょうしょう)を考えたほうがいいかもしれませんね。

かかりつけの小児科医に相談してみてはいかがでしょうか



<お悩み>

夜中に布団から抜け出して、一人で座っていることがあります。

泣いたりはせず、静かに座っています。

「寝るんだよ~」とささやいて布団に入れるようにしていますが、このまま見守っていて大丈夫でしょうか?

<アドバイス>

赤ちゃんの眠りは不安定です。

お尋ねのようなことはよく相談をうけます。

現在されている方法で再び眠ってくれるならば、それを続けてください。

年齢とともに眠りの質が変化して、いつか消えてしまいます



■日本初「夜泣き外来」を立ち上げた菊池清先生プロフィール

福岡県生まれ、京阪神育ち。19773月京都大学医学部医学科卒業。医学博士。

現兵庫県立リハビリテーション中央病院 子どものリハビリテーション・睡眠・発達医療センター長。倉敷中央病院、京都大学医学部附属病院、島根大学医学部附属病院、島根県立中央病院で小児科医として勤務。この間、1989年~1992年にワシントン大学(米国、セントルイス)で成長因子の研究に従事。日本小児科学会認定小児科専門医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科(小児科)専門医、ドクターオブドクターズネットワーク認定優秀専門臨床医、成長科学協会地区委員。第一種放射線取扱主任者。前 島根県立中央病院病院長。

著書「夜泣きが止まる本」を2020年7月発行(https://fuumeisha.co.jp/2020/07/22/2555/