先輩ママたちから寄せられた、卒乳・断乳にまつわるエピソードをご紹介します。
そのご家庭によりタイミングも方法も様々ですね。
小児科医 丹羽房子先生よりコメントも頂きましたので、ぜひ参考になさって下さい。
<先輩ママSさんのエピソード>
二児の母です。長女次女とも完母でした。
長女はご飯もよく食べ言葉も早かったのですが、遊んでいてもちょっと口寂しくなるとおっぱいを欲しがって寄ってくるので、一歳半頃から授乳が苦痛になっていました。
そのため、「おっぱい飲むのは赤ちゃんだけだよ」「お姉ちゃんになってきたから、おっぱいバイバイね」と少しずつ伝えていたところ、1歳8ヶ月になった頃から、あれ?今日飲んでない?という日が増えてきて、実家へ帰省した三連休、環境が変わったせいか全く欲しがらなくなり、すんなり卒乳に。
次女は、まだ授乳が続くだろうと思っていた1歳1ヶ月、ある朝授乳すると歯が当たってガブっと噛まれる形になり、「いったーー!!」と大絶叫。
私の絶叫にびっくりして娘も号泣(笑)。
それ以降、何度チャレンジしても歯が当たり、「やっぱ無理――!」と絶叫。
本人も歯が当たらない飲み方を忘れてしまったようで…これはもうこの機会に断乳するしかない!と準備もないまま断乳に。
もともと添い乳していなかったので、日中欲しがる時はヨーグルトかキシリトールタブレットをあげて我慢してもらいました。翌日には泣かなくなり、3日ほどで欲しがらなくなり断乳完了しました。
<丹羽先生のコメント>
離乳が完了する時期は1歳半ごろが多いと言われています。Sさんのお子さんはお2人とも丁度その時期に終了となったのですね。
長女さんはママが意志をきちんと伝えていたおかげでお子さんも徐々に心の準備ができ、環境が変化したタイミングで問題なく卒乳できたのですね。
次女さんには噛まれる痛みにママが耐えられなくて断乳になったとのことですが、終了しても問題ない時期でしたし代替物で上手に終了されたのでお子さんも納得されたのだと思います。
<先輩ママYさんのエピソード>
1人目の娘が一歳半の頃、夜の寝かしつけはずっと添い乳でしていたけど、その頃なかなか寝付かなくなり、夜中も1~2時間おきに起きてパイパイ~と泣くように。
でもお腹が空いてる訳じゃなくただ口寂しいだけのように感じました。
そんな時ママ友に卒乳したよーという話を聞いて、これはもしかしてうちも卒乳のタイミングの合図なのかな、と自然に思えた自分がいて、そう思うとなんだか急に心がフワッと軽くなった気がしました。
娘には「●●ちゃんはもう大きくなったから、もう少しでおっぱいバイバイしようね。」「あと何日でパイパイバイバイするんだよ」と伝えると、本当に不思議、ちゃんと理解しているように、「パイパイ」と言いたいのを我慢してくれているように感じました。涙をいっぱいためながら。
卒乳3日前、おっぱいで寝かし付け、夜中起きても今までのようにパイパイと言わず、抱っこ~と泣く。娘が頑張ってくれている。
座ったままの抱っこでお歌を歌ってあげるとパイパイなしで寝られるようになっていました。
卒乳当日、早朝に目を覚まし、寂しそうにおっぱいを欲しがりました。
少し申し訳なさそうに、お願い、という声で。私も少し寂しかったので、ちゃんと授乳にお別れしようと思い、「じゃあこれで最後だね。これでパイパイバイバイしようね」と言って授乳をしました。
私もこのお別れの1回をちゃんとしたことで心の整理がつき、娘もこれ以降パイパイとぐずる事もなく本当にそれが最後の1回になりました。
それからは夜中頻繁に起きることも少なくなった気がします。
話してもまだ理解できないと思っていたけど、娘はちゃんと理解して頑張ってくれていた事に感動して、より絆が強まった気がします。
<丹羽先生のコメント>
1歳半の頃に夜間1〜2時間おきに起きて泣いていたのはお子さんにとってもママにとっても辛いことでしたね。
夜間の睡眠を確保してあげるためにも思い切って卒乳に進んだのは良いことであったと思います。
1歳半ともなれば、簡単な言葉がけや指示がわかるようになっていますので、Yさんがきちんと話をして段階をふみ、そしてお子さんの欲求に温かく応じて安心感を与えられたことでお子さんも信頼して頑張ってくれたのだと思います。
<先輩ママMさんのエピソード>
私は娘・息子・息子の3人の子育てをしています。
娘は私の月経が再開すると授乳回数が減り、9ヶ月には寝前1回のみでした。
ある日、授乳をしていると乳首を噛まれ「痛い!」と叫んだところ娘は驚いて授乳をやめ、その後も何度か試みましたが自らおっぱいを手で押して拒否するようになりました。
こんな形で授乳が終わってしまい 申し訳なく思いました。
長男は7ヶ月を過ぎた頃、急に授乳を拒否するようになり、「もしかして」と思い妊娠検査薬を使用すると3人目の妊娠がわかりました。それ以降、ミルクに切り替え1歳になった時に哺乳瓶を卒業しコップでミルクをしばらく続けました。
次男は3人の中で一番おっぱいが好きで「最後の赤ちゃんだし本人の納得いくところまで授乳しよう!」と決めていました。
しかし、夜間の授乳が辛く9ヶ月に入った頃夜間断乳をした結果、私が乳腺炎になると授乳回数が減っていきました。
そして10ヶ月を過ぎた頃、急に授乳をやめました。
3人とも突然自ら卒乳したので「もっと授乳時間を大切にすればよかった」と思います。
授乳中は乳腺炎などトラブルや授乳室を探すなど大変な面もありますが、いつその時期が来てもいいように授乳時間を大切に過ごせたらと思います。
<丹羽先生のコメント>
Mさんのお子さんは3人とも自ら卒乳となったようですが、それぞれに事情があったのですね。
ママに月経が再開しても変わらず母乳を飲むお子さんもいますが、ホルモンの変化が母乳の味に影響する可能性もあり、嫌がる赤ちゃんもいるようです。
乳腺炎の時の母乳の味を味覚センサを用いて調べた研究によると、乳腺炎群の母乳の味は乳腺炎ではない母乳と違いがあり、乳腺炎群の8割のお子さんに授乳を拒否する行動が観察されたという結果が報告されています。
Mさんのお子さんたちは味に敏感だったのでしょうね。
<先輩ママKさんのエピソード>
長男は3才の時に卒乳しました!元々おっぱいが大好きな子。
お風呂場で嫌なことがあり泣いてうるさいので、おっぱいだよーと口に入れて泣き止ませ様とすると。
『おっぱいじゃないよ💢‼️』と泣きながらブチ切れ。それ以降、卒乳となりました!
助産師的には、昨今風潮では卒乳がベストだと言われております。
愛着、信頼関係、子供の発育発達などの観点から。しかし、それはおっぱいだけに限らないと思うので。断乳するにしてもママがどうしたいのか、ママの望むスタイルで、決めたら良いと思います。
ちゃんと、お子さんにも辞める日を伝えて少しずつ準備が出来ると断乳もスムーズかも知れません。
(Kさんは現役の助産師さんです)
<丹羽先生のコメント>
2019年に厚労省から「授乳・離乳の支援ガイド」の改訂版が出されました。
その中の「離乳への移行」の項に、子どもの成長や発達、離乳の進行の程度や家庭環境によって子どもが乳汁を必要としなくなる時期は個人差が出てくる。と記載されています。
Kさんが仰るようにママの考えを尊重して、周囲からサポートが得られればスムーズにできそうですね。
<先輩ママAさんのエピソード>
第二子妊娠中の26週になった頃、授乳中に凄く嫌な気持ちになり(そんなこと今まであまりなかった…)、寝る前だけの授乳を強制的に断乳に。
娘は2日ほど泣いておっぱいと連呼したけど3日にはなんとか授乳なしでも眠れるように。
3ヶ月後に息子誕生し、退院して初めての自宅授乳をしたら「これはねぇねのおっぱいなの〜」とギャン泣きして息子を胸から引き離す。
仕方なしにここから約9ヶ月2人授乳に。。その後姉は自然卒乳(3歳3ヶ月)
現在3歳5ヶ月の息子は「まだおっぱいのむもんね〜」と言っており、まだ卒乳していません。
(Aさんは現役の助産師さんです)
<丹羽先生のコメント>
Aさんは長女さんがまだ飲みたかった時期に断乳としてしまったので、息子さんの出産後は9ヶ月間一緒に授乳をされたのですね。
長女さんは3歳を過ぎて納得して自然卒乳できたのだと思います。
成長や発達に問題がなく食事もしっかり摂れているのであれば、息子さんも自然卒乳する日を待っていてあげましょう。